OSA日記

旅と食と健康とメンタルと

近隣旅の面白さ

遠くに行くことだけが旅ではない、というのは、私の好きな鉄道紀行作家である宮脇俊三氏の言葉。

旅というのは日常から外れた体験をすることであって、近くでも生活圏内でも、いくらでも対象はあると自分も思う。極端に言うと、いつも通っている道を外れて知らない道を歩くことでも、ある意味旅になるのではないだろうか。

例えば住んでいる県内の地図を改めて見てみると、かなりいろいろなところには行ったつもりだが、それでもいくらでも行ったことがないところもある。名所でなくても地形が面白そうとか、マイナーな神社があるとか、ネタは豊富にあるものだ。

かつて神戸で働いていて、神戸はたいがい行ったと思っていたが、やはり地図を眺めていてちょっとしたコースを思いついたので、早速行ってみることにした。こういうのは突発的に行けるので、天気や気候が良いときを見計らって行くことができる利点がある。

阪急電車から神戸高速鉄道に入って、高速長田で下車。最初の目的地は長田神社で、そこそこ有名だと思うが改めて考えると行ったことがない。近くにあって当たり前過ぎて、却って行ったことがないというのは結構よくあるパターン。

地上に出ると見覚えのある鳥居が建っていて、そこから参道まで商店街のようになっている。昔ながらの和菓子屋や喫茶店などが軒を連ねていて、良い雰囲気である。和菓子屋に寄って柏餅などを買う。

ほどなく参道に入り、長田神社に到着。鳥居をくぐると楠があり、見惚れるくらい立派な枝振り。人気のない境内を歩いてお参りし、裏手の楠宮稲荷にも参る。御朱印をいただいてから境内を出る。

立派なクスノキ

道を少し戻り、パン屋をのぞいたあと、新湊川に沿って歩く。川沿いは遊歩道になっている。川沿いは川に沿っているためアップダウンがなく、歩くには最適。

やがて、次の目的地の湊川隧道が見えてくる。湊川隧道は何度も大きな水害を起こす湊川の流路を変更するために、会下山を貫通するトンネルを掘ったもので、この出口に「天長地久」という扁額が掲げられている。
定期的に中を歩ける催事があるようで、機会があれば通ってみたい。

湊川隧道

扁額の横を上がると会下山公園。山なのでどんどん上っていくと、木には覆われているが若干景色のいいところがある。しばらく景色を眺めたあと、ベンチで買ってきた柏餅やパンを食べる。

会下山公園

公園を下っていくと、善光寺という寺があり、ここに平業盛之塚というのがある。このあたりは源平の一ノ谷合戦のあったところで、名だたる平氏の武将が討ち取られている。業盛もその一人で、平清盛の弟である教盛の三男。兄の通盛と教経も討たれ、兄弟全滅してしまっている。

このあたりは足利尊氏楠木正成が激突した湊川合戦もあり、歴史の匂いがするところである。

街を下って行くと湊川に行き着き、ここには東山商店街がある。私は商店街が大好きで、中でもこの東山商店街は大のお気に入り。
商店街の雰囲気を存分に味わい買い物などするが、魚など生ものはなかなか買えないので残念。

東山商店街

商店街の終わりにある湊川公園では何やら催し物をやっていて、その雰囲気も好きなのでうろついてみる。

今日の目的地は以上だが、妻がIKEAに行きたいと言うので、三宮まで出てポートライナーに乗車。途中のポートターミナルに巨大な船が停泊していて、見るとかのダイヤモンドプリンセスだった。大きさに圧倒される。

ポートターミナルのダイヤモンド・プリンセス

IKEAでお茶と買い物をして帰るが、充実した1日だった。ちなみに今日の歩数は27000歩を超えている。

このような旅は楽しさの割にコストがあまりかからず、非常に満足度が高い。県内にはいくつも行ってみたいところがピックアップされているので、引き続き行ってみようと思う。