OSA日記

旅と食と健康とメンタルと

補足遍路

1月25日

前回、残念ながら膝を痛めてしまってリタイヤしたために、目的地であった23番薬王寺に行くことはできなかった。このことがずっと引っかかっていたが、一つ歳を越す前には行っておきたいと思っていたので、今回は旅を兼ねて徳島に行くことにした。自分では「補足遍路」と勝手に呼んでいる。

金曜日に休みを取って朝から名古屋を出て、高速道路を西へとひた走る。明石海峡大橋を渡って淡路に入り、鳴門大橋を渡って昼前に四国上陸。今回は結局スケジュールを何も考えないまま四国にきてしまった。調べてみると、日和佐にほど近い阿南市にもいくつかホテルがあるようなので、ビジネスホテルの一つに電話をして予約する。
 
ということで夜までに阿南市に行けばいいので時間はたっぷりある。良く考えたら徳島は歩いてばかりだったので、この際車でうろついてみることにする。

まずは小高い山の頂にある鳴門城へ。鳥居博士という人の博物館になっていたが展望はとてもよく、渡ってきた鳴門大橋もよく見える。町に下りた後徳島ラーメンに舌鼓を打ち、南下する。

徳島市街を抜け、以前遍路中に気になっていた「日本一低い山」に向かう。ここ弁天山は国土地理院の地形図に登録されているが、標高わずか6.1mで田んぼの中にある岩の塊のようなものだ。山頂は神社になっていて、鳥居をくぐってわずか5秒で登頂できる。

次に小松島に向かう。ステーションパークとやらがあるらしく行ってみたが、なかなか見つからない。ようやく見つかったのはSLが置いてあるただの公園だった。以前廃止になった小松島線の旧跡だと思われ、駅名標やホームなどがあるだけだが、こういうB級スポットには興味がある。

そろそろ阿南市に向かうが、地図に津峯スカイラインというのがあるのを見つけて向かってみる。600円を払いワインディングを走って山を登っていく。終点に車を止め長い石段を登ると津峯神社がある。平日でもあり人っ子ひとりいないが、夕暮れ時の眺望はとても綺麗で雰囲気も良かった。

日が落ちたので予約したホテルIに向かう。夕食は途中のスーパーで仕入れた寿司などを部屋で食べ、就寝。

翌朝は5時半にホテルを出発し、日和佐に向かう。1時間弱で日和佐の駅前にある道の駅に到着。前回終了点の由岐まで列車で向かう。

懐かしい由岐駅で支度をして久々の遍路姿になり、出発。田井ノ浜の静かな砂浜や、木岐ののんびりした町中をゆっくり歩く。町の人が挨拶をしてくれるし、天気も雰囲気もよく、とても気持ちのいい旅だ。途中「カニに注意」という珍しい標識を見つける。

カニに注意

木岐を過ぎると車道を離れ遍路道に入っていく。 

日和佐までの間にある山座峠を越すがそれほど急な道ではなく、山奥にもかかわらず波の音まで聞こえてきてまことに気分がいい。

へんろ道で休憩

峠を下りると恵比須浜に沿って進むが、この辺りの海は本当にきれいだ。山を巻いていくと海がめの産卵地で有名な大浜海岸と日和佐の町が現れ、日和佐城や薬王寺のシンボル瑜祇塔が見えてくる。

町に入りしばらく歩き、23番札所薬王寺に到着。ここは厄除けで有名な寺で観光客が多く、歩き遍路など一人もいなかった。それでも象徴的な瑜祇塔を見上げながら、ようやく阿波を打ち終えることが出来たことを実感していた。久々の読経と納経。

23番薬王寺の瑜祇塔

さて、ここからどうするか、まだ決めていない。調子がよければ20キロ先の鯖大師まで行って少しでも後の工程を楽にしようと考えていて、体調も悪くないのである。しかし道の駅に戻って考えているうちに、やはりここでけじめをつけて、次回はここから進もうと考え直し、お遍路は終了とした。

まだ午前中なのでもう少しうろつきたいと思い、南阿波サンラインを通り海沿いの道を堪能することにした。ところどころにある展望台で海を眺めると少し波が立っている。寒かったが天気もよく、素晴らしい眺めの景色をずっと見ていた。

サンラインを終点まで走り牟岐に着いたが、することもないのでそのまま海岸線に沿って引き返す。途中貝の資料館などに立ち寄ったりしたが、南阿波の海岸はどこまで行っても素晴らしかった。

四国最東端の蒲生田岬まで脚を運び、少し手前の船瀬でのんびり日帰り温泉につかると帰途につく。

そこからひたすら走り続け、名古屋に着いたのは深夜だった。