OSA日記

旅と食と健康とメンタルと

確率

我々は毎日ごく普通に生活しているが、とてつもなく低い確率の上に生まれ、育ち、生活している。

 

仏教などでも言われるが、縁というやつである。

自分が存在するためには両親がいて、その両親が存在するためにそれぞれの両親がいて、延々遡ると、自分一人が生まれるために何人必要なのか、ということになる。

生まれてきただけでもなかなかの確率だが、これまで死なずに生きてきたのもたいしたものだと思う。

 

しかし、そのような確率など足元にも及ばないのが、現在地球が存在していることのようだ。

 

地球ができて約46億年(よくそんなことが分かるものだと感心するが)。

これまで順風満帆にことが進んだわけではない。というよりむしろ苦難の連続だったらしい。

 

地球が出来て1億年くらいの時に、ジャイアンインパクトというのがあり、火星くらいの大きさの惑星(テイアというそうな)と衝突した。斜めにぶつかったので完全破壊にはならなかったようだが、もちろんめちゃくちゃに壊れて飛び散り、再集結したのが現在の地球だそうだ。

 

ぶつかったテイアの重い金属コアが原始地球に落下して、今でも外核の外側に張り付いている。そのおかげで地球内の金属部分がかなり増量し、大きな金属対流が生まれた。この対流は地球に磁場を作る。現在でも地球を守っている磁場の大きさは、金属が増量したことによるもの。で、この磁場は大切なバリアで、これがないと太陽からの太陽風や様々な粒子、放射線が直に降り注ぐことになり、生命は存在できない。

 

また、地球は地軸が傾いていて、普通ならゆらゆら揺れてしまい、とても安定した回転にはならない。テイアの衝突で飛び散った破片が原始地球の周りを回り(土星の環みたいなもの)、それがやがて合体したのが月だそうだが、この月が公転することで地球の回転が安定しているらしい。安定した回転のおかげで安定した環境が生まれ、四季などもできた。

 

そのころの地球は灼熱状態で、水などの揮発性物質は存在できなかった。そこへ木星が太陽に接近してきて、その影響で多数の小惑星群も影響され、地球や月に大量に降り注いだらしい。今なら一つ落ちただけでも大騒ぎだが、それが雨あられと降り注いだのだから大変な様相だっただろう。しかしその小惑星には水などの様々な揮発物質、生命の元となる物質があったそうで、それが降り注いだものだから原始の海や生命の源のアミノ酸などがもたらされた。おかげで生命が誕生したわけだ。

 

次に3億6千万年前、デボン紀後期に生物の大量絶滅があり、地球上の8割もの生物が死に絶えた。これは近くで超新星爆発があり、オゾン層が破壊されて紫外線や宇宙線が降り注いだのが原因らしい。多くの生命は死滅したが、比較的小型の生命が生き残り、頻繁に遺伝子が書き変わるおかげで進化が加速したらしい。この超新星は60光年くらいのちょうど良い位置にあったらしく、遠ければ影響はないし近ければ生命が全滅していただろう。

 

6600万年前、メキシコに直径10キロの小惑星が衝突し、この時にも大量絶滅が起こったが、ご存知のようにこその影響で恐竜が絶滅した。それまで生物界に君臨していた恐竜がいなくなったことで哺乳類が台頭し、今に至るというわけだ。

 

次々と起こったこれらの天変地異は、単にそれを切り抜けただけでなく、このインパクトがあったおかげで生命の存続や進化が促進されたということで、これだけの出来事の末に生命、ひいては人類が存在していることにただ驚嘆するばかりである。

 

これらの他にも様々な出来事があったと思うが、一つ言えるのは、この内どれ一つ欠けても自分は存在しなかったということだ。その確率は果てしなく小さい。

こういうことを知ると、何となく命を大事にしなければならないという気になってくる。

神様というのは本当にいるのかもしれない。