OSA日記

旅と食と健康とメンタルと

四国遍路 4_2

4月30日

2日目。6:00起床。ふくらはぎに若干筋肉痛が残るが、体調はすこぶる良いようだ。相変わらず一人の朝食を取り、7:30K旅館を出発。おばさんに近所の道を教えてもらい、その通りに進むことにする。

今日は延々と太平洋沿いに歩いていくが、以前に安芸まで通じていた土佐電鉄廃線跡がサイクリングロードになっており、そこを歩いていくので車に悩まされることもない。

最初は昨日と同様防波堤上の道を歩いていく。今日も平日なので通学の学生とすれ違うが、みんな挨拶してくれて気持ちが良い。毎度感じることだが、四国では遍路というのが当たり前の存在のようで、すれ違う人はみんな知り合いのように挨拶してくれる。

海沿いから次第に登っていくと八流(やながれ)山極楽寺に着く。ここは札所ではないが、せっかくなので寄っていきベンチで休憩していると、どこからともなくあらわれたおばさんに大きな文旦を二ついただいた。ありがたくいただき荷物になるので早速ひとつ食べる。酸味が身体にしみこんでいくようだ。

八流山からの太平洋

ちなみに八流というのは元々「矢流」といい、このあたりで合戦があり大量の矢が流れてきたため付いた地名だとか。

再び歩き出すと延々と海沿いの道となる。砂浜にも出られるのでたまに歩いてみたりするが、砂の上では足へのダメージが少ない反面、足がとられるので体力を消耗してしまうので良し悪しだ。

途中遍路小屋を見つけて休憩。前回も書いたが、このようにご奉仕で遍路小屋を作って飲み物やお菓子を提供していただく方がおられ、まったく頭が下がる思いである。お札をおさめ、ノートにお礼を書き、コーヒーをご馳走になり、心も身体も休まってから先に進む。

延々と歩くとやがてサイクリングロードは国道に合流し、交通量が多くうるさい道に戻ってしまうが、しばらくすると再び道は別れ、鉄道時代のトンネルなどを抜ける。廃線跡を歩くのが好きな私としては遍路と同時に味わうことができてありがたい。

鉄道トンネルの跡

昼を過ぎて夜須町の道の駅に到着。ここはにぎやかなところで、いくつか食堂があり、インド料理などというのもある。和食の店があったので入ることにし、魚フライ定食を頼むとこれでもかというくらいの巨大なフライが出てきて満腹になる。土佐はいろいろなところが豪快だ。

ここで海から離れ内陸に向かう。集落の中にまたもや遍路小屋を発見。住宅地の真ん中だが静かで、クーラーボックスには缶コーヒーなども入っていて自由にお飲みください、とある。ありがたくいただくことにし、鳥の声を聞きながらのんびり休憩。

遍路小屋

赤岡の集落までは静かな道だったが、やがて幹線道路である国道55号に出ると、かなりの交通量で騒音と排気ガスの嵐。しばらくこの道を歩かなければならないが、歩き疲れてきた身にはかなり過酷である。こんな道沿いには休憩する場所もなく、ここから一刻も早く逸れたいと一生懸命歩く。歩き遍路で過酷なのは急坂でも雨でもなく国道だと思う。

しばらく頑張って歩いた後ようやく国道から逸れ、香南市役所横を過ぎて北上していくと、28番札所への入り口が現れる。久々の遍路道に入っていくが、ここも若干山の上にありわずかとはいえ急な石段を登っていく。

15時過ぎに28番大日寺に到着。大日寺という名前は前述した通り2度目で、明日行く国分寺などと同様、同名の寺がいくつかある。昨日に続いてここも人が少なく、ゆっくり納経し、奥の院の爪彫薬師などにもお参りする。

今日の宿は大日寺のすぐ前なので、寺のベンチでゆっくりと休むと、石段を降りて向かう。宿泊は民宿喫茶Kというところで、名のとおり喫茶店の2階が宿になっている。

茶店入り口に近づくとホワイトボードがかけてあり、私の名前が書いてある。よく見ると、留守にしているので勝手に部屋に入ってくれ、洗濯機や風呂はご自由に、とある。階段を上がるとまるでワンルームマンションのようなつくりで、部屋に洗面所とトイレも付いている。

遍路宿

どうやら今夜も客は自分しかいないようなので、とりあえず共同のユニットバスに湯を張り、その間に洗濯機を回す。せっかくなのでズボンも何もかも洗濯することにして浴衣に着替えたが、この宿はドアを開けるといきなり外なので、浴衣姿で外をうろつくことになる。この間誰とも会わず、意味もなく後ろめたいような気分にもなるが、風呂から上がり洗濯物を干し、ひと段落すると部屋でゆっくりとくつろぐ。

やがて電話がかかり、食事ができたので下の喫茶店に来てくれとのこと。直通の通路などなく浴衣姿のまま車道を通って一般客もいる店内に入る羽目になる。ここで初めて宿のおばさんと顔を合わせた。

夕食は弁当方式でふたを開けると品数が多く、持って来てくれたご飯はどんぶりに山盛りで量も半端ではない。「お代わりは?」と聞かれたがとても食えたものではなく、すべて平らげたときは満腹で動けなくなった。

食事を終えると部屋に戻るだけだが、この宿は基本的に放置プレーで、それはそれで気が楽でよかった。

本日の総歩行距離は24.5キロで39,000歩。いつものように21:00頃に就寝。