OSA日記

旅と食と健康とメンタルと

四国遍路 6_2

4月30日

2日目。

6時起床、6時30分朝食。遍路宿ではいつものパターンである。準備をして7時過ぎに出発。

御荘の町を出てしばらくは国道56号線沿いに歩く。昨日も今日も十分にストレッチしたのだが、歩き始めはやはり節々が痛い。いつもの膝や股関節は今のところ何ともなく、家では毎日腹筋やストレッチをしてきたが、今年になってからスクワットもメニューに加えることにしたので、良い効果が出ているのかもしれない。ただ、昨日後半から右足の甲から足首にかけて痛む。これの痛みは初めてのもので、湿布してきたがどうなることやら。

道は平日ということもあってか交通量が多いが、ふと車が途切れた時の静寂は、鳥の鳴き声も相まってなかなか良いものだ。すれ違う学生もほとんどの人が挨拶してくれる。道が低い峠を越すとやがて海が見えてきて、内海の町に入っていく。

今日のメインイベントは柏坂の上りだ。土佐はずっと海沿いであまりアップダウンがあまりなかったが、伊予に入ったとたん峠だらけで、昨日の松尾峠、今日の柏坂と、連日峠が続く。町を外れるとやがて遍路道に入り、急登となる。坂がきついのはいつものことだが、今日は身体が慣れているのか昨日よりはましな感じがする。

柏坂の開始点

案内に柏坂休憩所とあるのでそこまでがんばろうと思ったが、宿でもらった情報を見るとほぼ頂上直下にあるので気が萎えた。道々野口雨情の作った民謡詩が書かれた木柱があり、そこで息をつくことにする。「松の並木のあの柏坂 幾度涙で越えたやら」「山は遠いし柏原はひろし 水は流れる雲はやく」など、息を整えながら読むと味があるものだ。

野口雨情の民謡詩

30分くらいで休憩所に到着。ここが柏坂休憩所かと思ったが、隣に石仏がまつられている。ここは柳水大師といって、弘法大師が地面を杖で突くと水が湧いてきたという、よくあるような逸話の場所だ。柳水なんとかというのもあちこちにあったように思う。いずれにしてもきれいな水が湧いているのでここで休憩し、甘いものを食べたり顔を洗ったりしてすっきりする。

柳水大師

ここからもさらに上りが続く。がんばって上っていき汗だくになってきた頃ようやく平坦な道になった。腕時計の高度計を見るとほぼ頂上の470m。ぼーっと歩いていると清水大師の案内があり、柏坂展望台はいつの間にか行きすぎてしまったようだ。

やがて道は下りに転じ、しばらく行くといきなり展望が開ける。「つわな展望台」で、由良半島が幾重にも入り江を重ねて沖へと張り出した光景はなかなかのものだ。ただ、黄砂のせいか霞んでしまっていたのが少々残念。

つわな展望台

その後もずっと下っていき、12時頃に茶堂休憩所に到着。ベンチに座って宿で作ってもらったおにぎりを食べる。コンビニのものと違い大きくて旨かった。近くの茶堂大師を拝み、少し行くとミカン畑でおばさんにミカンをお接待でいただく。後でいただいたがとても甘かった。

山中の茶堂休憩所

遍路道を下ると里山に入る。遍路では見慣れた風景だが、そこら辺の観光地よりはよほど心にしみる光景で、しみじみと目に焼き付けながら歩いていく。道ばたを流れる川はきれいで、大きな鯉も泳いでいる。

やがて国道を渡り川沿いに進んでいくと、対岸に遍路小屋がある。休憩にいくと松尾峠で出会った外人遍路がいたので、2つもらったミカンの一つを差し出すと、この方もいただいたとこのこと。この外人遍路とはその後も結構出会ったが、あまり話をすることはなかった。その後は芳原川に沿って延々と歩く。川沿いに延々と歩くのは昨日と同じだが、国道を延々と歩くよりは気分的にいい。

岩松の町

時間が早かったのでゆっくり歩いたが、15時には岩松の町に着いてしまった。今日の宿はここ岩松のM旅館。唐破風作りで味のある入り口を写真で撮ろうと思ったら、女将さんがいきなり出てきたのでそのまま入ることに。

早い時間だったが風呂は準備できているとのことで、一番風呂で極楽を味わう。気になっていた足首も、歩いていると痛くなくなってきて何より。

風呂から上がって食事までの時間、部屋でごろごろするのは至福のひと時だ。食事は別館に用意されていて、伊勢エビや岩松名物のウナギなどかつてないほど豪華だった。同宿の人も楽しい人たちで、車と歩きの違いはあったが食事が終わってもずっと話し込んでいた。

21時30分、糸が切れたように眠りにつく。

本日は51600歩。距離は短くて25キロだったのだが・・・