OSA日記

旅と食と健康とメンタルと

四国遍路 4_4

5月2日

4日目。やはり6時起床。

準備して7:00に部屋を出るが、前日おにぎりの朝食を頼んでいたのでフロントで受け取り、ロビーでいただく。

今日のコースは今回で一番長いので、昨日竹林寺を打っておいてよかったと思う。通常のコースとは違い、32番目指して近い道を通って行く。武市半平太旧宅の横を通り、池に沿った道を歩き、南下して海に近づいて行くと小高い山があり、次の札所はこの山の上にあるのだ。遍路道に入ると例によって見慣れた急な坂道となり、早速汗をかきながら登って行く。

32番禅師峰寺には8:30到着。

山門をくぐるがいつもの手洗い場がない。仕方なくそのまま本堂へ進み参拝。山を登るしんどさの反面ここは展望が良く、雄大な太平洋からこれから向かう桂浜方面までが望める。ベンチに座って景色を眺めながらゆっくり休み、石段を降りて納経所に向かうが、駐車場に向かう方向に手洗い場があった。ここは車遍路優先なのかと憮然としながら納経する。

禅師峰寺からの眺め

9時に出発し、同じ道を下って平地に降りると、道は西に向かっての一本道になる。延々と集落の中を歩いて行くが少しも景色が変わらず退屈極まりない。道に変化が乏しいのでなかなか進んだ感覚にならず、そのうち足の裏が痛くなってきた。まさかマメができたかと思ったが何とか無事だった。

10:30に種崎港に到着。ここから対岸まで無料の渡船があり、1時間に1本のダイヤなのでしばし休憩。

橋を渡って海を越える別のルートもあるが、ここは歩き遍路でも唯一交通機関を使うところで、昔も渡船はあったらしく古(いにしえ)を偲んでこちらのルートを選択。近所のおばさんらしき人たちが自転車などで集まってきた頃小さな船が到着。乗り込んでみると船室などなく吹きさらしの中ベンチがあるだけだが、わずか数分で着くので特に問題はない。

種崎の渡船

対岸に到着し道に戻るとまもなく33番雪蹊寺に到着。ここは平地にある札所で、山門がなくいきなり境内なので少々戸惑う。

祭りでもあるらしく夜店の準備などしていて賑やかになっている。どうやら本日は旧暦でお釈迦様の誕生日である灌仏会(かんぶつえ)らしく、そのお祭りらしい。あまり広くない境内が人でごった返している。本堂と大師堂で参拝を済ませると、境内で甘茶のサービスをしていて私にもふるまっていただいた。

雪蹊寺灌仏会

人が多くて落ち着かないので早々に出発。田園地帯を延々と進んで行くが、連休に入ったにもかかわらず人気がまったくない。特に歩きの遍路を今日はほとんど見かけない。テレビでは相変わらずGWの混雑振りを放送していたが、GWにこれほど人気がないところばかり歩いているというのも特筆すべきことだろう。

次の札所までは6キロ少々とそんなに距離があるわけではないのだが、休憩するところもなく次第にスタミナがなくなってきた。昼も過ぎ腹が減ってきたが店などない。地図によるとこの先にコープがあるらしいので、そこで何か買って札所で食べようと思いがんばって歩いたが、そこにはそれらしい更地があっただけでどうやらつぶれたとみえる。

だんだん悲観的になりすきっ腹を抱えたまま進んで行くと、やがて札所が見えてきた。札所には食べるところなどないので残念に思っていたら、道向かいに休憩所と書いてある。期待しながら入ってみると果たしてカップ麺の自販機があり、助かったとばかり購入してお湯を入れる。3分後出来上がったたいへん美味なカップ麺を賞味してひと心地つけ、34番種間寺に入って行く。

ここも33番と同じく平地にあり、やはり山門がない。周りが広々としているので境内も何か明るい感じがする。天気もいいので納経を済ませた後はベンチで靴下まで脱いでくつろぐことにする。相変わらず歩き遍路はいなくて、車遍路かただの観光客ばかりである。

14:15出発。相も変わらぬ風景の中を単調に歩いて行く。ビニールハウスが多くたいていのところで音楽がかかっているので、そういえば植物も音楽を聞かせることで成長が良くなるのだろうか、などと思っていたが、ただのラジオだった。

相変わらず遍路を見かけない。そもそも人がいない。だんだんさびしくなってきたころ、仁淀川の堤防が見えてきた。今日の宿泊はこの仁淀川を越えた土佐市となる。堤防沿いに進むとやがて国道の橋が見えてきて、そこを渡ることになる。橋の上ではしきたりに従って杖をつかないので脇に抱えて歩くが、橋に入ったとたんに随分な交通量である。

仁淀川四万十川に匹敵する清流で、川幅や川原も広々している。杖を抱えたまま歩くが橋を渡り終えるのにもけっこう時間がかかり、その後は川に沿って堤防をしばらく進んで行く。

広々とした仁淀川

自転車で追い越しざまにおじさんが声をかけてくれ、今日泊まる宿の名前を出すと道を教えてくれた。やがて堤防を降り土佐市街に入って行くと、まもなく本日の宿であるK旅館に到着。

中に入ると人の良さげなおばあさんがいて、とてもしゃべり好きで延々と話をする。宿もかなりややこしい作りで、いろいろと案内してもらいながら部屋に入り、洗濯の仕方や近所の食べるところ(一人で切り盛りしているので食事は出していない)など包装紙の裏に手書きで書き込んだ地図を渡されて説明してもらう。

沸かしてくれた風呂に入り洗濯を済ませる。食事に出る際に帳場でコピーを紛失したへんろみち保存協力会の地図を発見、早速借りてコンビニでコピーできて事なきを得る。教えてもらった食堂は焼肉屋だったので一人では入る気にならず、同じく教えてもらった業務用スーパーで寿司や惣菜などを仕入れ、部屋に戻ってゆっくりいただく。

本日の総歩行距離は29キロ、39700歩だった。平地が多かったので歩幅は大きかったかもしれない。