OSA日記

旅と食と健康とメンタルと

18切符旅アーカイブ 東北編3

3日目。始発は昨日より遅いので、起床も若干遅い目。それでも5:45には起きる。

昨夜は雪がやんでいたが、ホテルを出る頃には激しく降っていて、駅までのわずかな距離でも雪まみれになった。そういえば横手は「かまくら」で有名なので、雪が多いのは無理もない。

北上線北上行きは6:36発定刻に横手を出発。
走り出すと雪煙がものすごく、窓がみるみる雪まみれになって何も見えなくなってしまう。この北上線や昨日の花輪線、山田線などは、東北地方の山脈を横切るような肋骨線なので当然途中は山深くなる。

雪まみれの車窓



ということで進むに従って雪が深くなっていくというパターンは今までと同じ。

途中の相野々ですれ違った下り列車は、2両編成のくせになぜか後ろの車両は電気が消えていて、「回送」になっている。面白い運用だ。
小松川辺りからまわりはいよいよ雪だらけになる。

7:09北上線の中心駅「ほっとゆだ」駅に到着。ここも元々「陸中川尻」という駅名だった。字面から観光地のように思っていたが、ここでこれまでガラガラだった車内に一気に高校生が増える。

ほっとゆだ

昨日もそうだったが、週末だというのにどこでもやたら高校生が列車に乗っている。部活なのだろうか。

ここからは湯田ダムによってできた錦秋湖に沿って列車は進む。この川は何川だっけ、と考え、雄物川かなとその時は思ったが、後で調べたら支流の和賀川であった。やはり地図を持って行くべきだった。

北上に近づくにつれて乗客(といっても高校生がほとんど)も増えていく。山中を抜けて平地になっていくと雪が減り天気も良くなり、久々の青空も見えてくる。
みんな北上まで行くのかと思ったら、一つ手前の柳原で高校生が全員降りてしまい、ガラガラになった列車は定刻8:00に北上に到着。

ホームに降りると雪はほとんどないがかなり寒い。待ち合わせは11分だが、駅舎内に立ち食いそばを発見。朝食は横手でサンドイッチは食べたが駅そばはこの旅で初めて見かけたので、迷わず天ぷらそばを食べる。美味也。

ここから仙台まで幹線の東北本線となる。列車も昨日同様味気ないロングシートだが、やはり加速がいい。

8:50着の一ノ関で白石行きに乗り換える予定だったが、強風のためだかなんだかで車両運用が変わったらしく、かなり手前の小牛田行きになっている。乗り換えが一つ増えてしまうわけだが、昨日の悪天候がまだ引きずっているらしい。

車窓は東北らしくのどかな田園風景が続く。昨年廃止になった栗原田園鉄道の起点石越では廃線後も眺めることができた。

9:50、一昨日も通った小牛田に到着。本来直通で行けるはずが乗り換えさせられるというのに、ホームも違い跨線橋を渡らなければならず不親切極まりない。
白石行きは小牛田からは駅毎に人が増えていき、居眠りしている間に立ち客で満員になっていた。

仙台着は定刻の10:46。乗り換えは4分しかなく、早足で仙山線ホームに向かう。50%くらいの乗車率だろうか、この時間に都会から出て行く列車の割に乗客が多い。

山形行き快速はけっこう新型の電車で、文字通り快速で走っていく。仙台の市街を抜けると唐突に山の中に入るので面白い。

市街を抜けても乗客は減らず、作並を過ぎると急に雪が増える。渓谷に沿って走り長大なトンネルで県境を越えると、芭蕉の俳句で有名な山寺が見えてくる。

分かりにくいけど山寺

この辺りから山形盆地に入り、右から奥羽本線が寄り添ってくる。しばらく併走した後11:58に山形到着。
ここでも乗り換え時間は短いので、昼食をとることができない。ホームに売店が見あたらないので、いったん改札を出てから牛肉弁当を購入。

12:14発の米沢行き列車はロングシートのうえ乗客でいっぱいなので、とても車内で駅弁を食べる気がしない。暖かい弁当が冷えていくのを感じながらどうしようもない。

斉藤茂吉ゆかりのかみのやま温泉や、「おもひでぽろぽろ」という映画の舞台の高畠を過ぎ、今年(当時)の大河ドラマ天地人」の舞台である米沢駅に到着。

米沢では10分の乗り換え時間。ここから福島までは山形新幹線ばかりで普通列車はわずかな本数しかない。スケジュールを組み立てる段で一番苦労したのがこの区間だった。当然乗客が集中するので、たちまち列車は満員に。

それでもクロスシートだったので、何とか駅弁を広げることができた。向かいの青年も同じような弁当を食べている。米沢は牛肉で有名なので、駅弁もそのたぐいが多いのだろう。

この路線はかつて4連続でスイッチバックがあるという難所で、当時の列車に乗ったことがある。長大な客車列車が、一駅一駅でいちいちバックするのが面白かったが、今はすべて普通の駅になってしまった。
ただ、雪の深さはものすごく、車窓は変化に富んで面白い。

また雪が少なくなって13:56福島着。
次の郡山行きはすでに入線していたが、乗客が多くかろうじて座れる。満員になって発車したが、人が多く身動きがとれず、暖房もきつくてのぼせてくる。

そういえばこちらの列車はどれも暖房がきつすぎる。寒い地域だからかどうか知らないが、いくら列車が暖かくても外との気温差が大きければ逆効果ではないだろうか。実際自分は汗をかいてしまったので、この状態で寒いホームに出たら風邪をひいてしまうではないか。

と考えつつも居眠りしてしまい、気が付いたらやがて終点郡山に到着。
ここは以前に友人が転勤していたのでよく遊びに来た街だ。懐かしいホームに磐越西線会津若松行きの快速「あいづライナー」が入線してきた。

この列車は快速とはいえ特急車両を使用した贅沢なもので、座席もリクライニングして快適で得をした気分になる。列車は「赤べこ」という牛のキャラクターが描いてあって楽しい。

赤べこ模様の快速あいづライナー

15:22出発。以前にここからSLに乗ったことがあり、見覚えのある風景だ。またまた山中にさしかかり、中山宿から雪深くなる。

猪苗代あたりから磐梯山が見えてくる。山頂は雲で隠れているが、広大な雪原の向こうに見える山は雄大だ。次第に日が暮れていき16:32会津若松着。

雲をかぶった磐梯山

本日の宿泊地であるが、まだ早いので喜多方まで行くことにする。向かいのホームに停車している新津行きのディーゼル列車に乗り換え、約30分で喜多方到着。

昨年にも車で来たところで、言うまでもなくラーメンで有名な街だ。夕食は喜多方ラーメンにするつもりだったので、駅近くで雰囲気のよさげな店で味噌ラーメンを食べる。

すっかり日が落ちて、17:42発の郡山行きで引き返す。満月に近いまん丸な月が列車をずっと追いかけてくる。鉄道唱歌の「月を旅路の友として」のくだりと同じ光景だ。

17:58会津若松に再び到着。駅前のビジネスホテルに投宿。チェックインした後、雪でガチガチの街に出るが、夕食は食べてしまったので、近くのスーパーに入る。

明日の朝食と、今夜が最後の泊まりなので酒などを仕入れ、ホテルの部屋で一人宴会をする。