OSA日記

旅と食と健康とメンタルと

18切符旅アーカイブ 東北編4

4日目。今日が最終日。

五能線と並んで人気なのが只見線
すごい赤字路線なのに存続しているのは、雪で交通が途絶してしまうからということで、直通本数が少ないのと豪雪の景色が興味をひくのだろう。

始発は6:00なので5:00に起床して早い目に駅に行く。
すでに2両編成の小出行きが入線しており、1両がロングシート
さすが只見線、すでにもう1両のほとんどのボックスに人が座っており、ほぼすべてが鉄道ファンらしい出で立ち。

かろうじてボックスに座れたが、発車間際におっさん二人が乗ってきて私の前に陣取った。最初は地元の人かと思ったが、やはり鉄道ファンらしい。

定刻に会津若松を出発し、西若松会津鉄道と分岐すると、白と黒のツートンの世界をゆっくりと走っていく。会津本郷会津高田・・・と、頭に会津をかぶせた駅名が続く。日がまだ出ておらず、モノトーンの景色が続く。

向かいだけでなく後ろにもおっさん連中が乗っていて、酒を飲みながら声高にしゃべっていてうるさくて仕方ない。向かいのおっさんもうるさいだけでなく、行き違いの駅などではホームでたばこを吸ってくるので車内もたばこ臭くなっていけない。

ボックスも窮屈でしんどくなってきたのでロングシートの方に逃げ込む。こちらの方が遙かに快適で、右に左に移動する只見川にあわせてこちらも座席を移動する。

会津川口で交換のためしばらく停車するので、ホームに降りてみる。雪のホームは寒かったが、相変わらず暖房が暑い列車にのぼせてきていたのでちょうど気持ちが良い。

会津川口駅

中心駅の只見ではかなりの乗客が乗ってくる。小出側から折り返しで乗った客だろうか、いずれにしても只見の地元民とは思えない。ロングシートも占領されてしまったのでボックス席に戻るほかない。

只見を出発すると、只見線最大の難所を田子倉トンネルと六十里越トンネルで通り抜ける。いずれも長大なトンネルで、工事にはさぞかし苦労があったのだろうと思わせる。間の田子倉駅(現在は廃止)は冬期はすべての列車が通過。

トンネルを抜けると青空が広がり、渓谷に沿って走ると太陽の光で雪がキラキラと反射して雪景色が例えようもなく美しい。只見と大白川の間は只見線の景色の中でも白眉である。

雪深い只見線

柿の木、入広瀬と過ぎると山中を抜け、雪は相変わらず深いものの人里へと入っていく。昨年車で訪れたことのある上条をすぎ、左手に越後駒ヶ岳を望むと、やがて終点の小出。実に4時間以上をかけ10:13に到着。

14分の待ち合わせで越後湯沢行きの電車に乗る。かなり旧型の車両で、重いドアをよいしょと手で開けなければならない。昔の列車はこのタイプが多かったが、今や只見線ディーゼルでもボタンだったのに・・・

雪煙を上げながら上越線を疾走し、10:48六日町に到着。ここから直江津まで北越急行に乗るのでこれまた別料金となる。この路線は越後湯沢と直江津を長大なトンネルを貫いて結ぶ路線で、北陸方面への特急列車のバイパス的存在だ。

もちろん普通列車もあるが、今度乗る快速は日に1本だけ運行される「シアタートレイン」とのこと。楽しみにしながら到着した2両編成の車両に乗り込む。転換式クロスシートの座席で快適だ。

金沢行きの特急「はくたか」の通過を見送った後、六日町を11:03に出発。しばらく雪の平原を走った後、長大なトンネルに入ると、音楽と共に天井に幻想的な映像が映し出された。これが「シアター」で、トンネルを抜けるまでの長い時間の間様々なパターンで映され飽きることがない。

シアタートレインの映像

映像が終わるとしばらくしてトンネルを抜け、飯山線との連絡駅の十日町に到着。この後もいくつかのトンネルを抜けるが、その都度違った映像が流されとても楽しかった。

トンネルが終わると果てしない雪の平原を高架で延々と走り、犀潟信越線と合流すると定時から少し遅れて12:15に直江津に到着。

直江津は交通の要所で1時間の乗り換え時間があるので、ここで久々にまともな昼食にありつけると考えていたが、駅の周りには飲食店どころかコンビニ一つない。それなりの都市だと思っていたが駅だけが立派で大誤算だった。

仕方なく駅弁を買って駅で食べようと思ったが、待合所もとても狭く人でいっぱいでなすすべもない。どうするかと考えていたら、アナウンスで次の長野行き「妙高」が早くも入線するという。

これ幸いと駅弁をぶら下げて強風吹き荒れるホームに行くと、普通列車にも関わらず前日のあいづライナーと同様の特急型車両で、快適なシートだった。駅で買った「鱈めし」を開くと、ご飯の上に棒鱈の煮付けや焼きたらこがのったもので、けっこう美味であった。

鱈めし

駅弁を食べ終わりしばらくすると13:11定刻に直江津を出発。

高田、新井と過ぎると右手に妙高や黒姫の山々が見えてくる。二本木は普通の民家の中にある駅なのにスイッチバックで妙な感覚だった。妙高高原からは大量のスキー客が乗り込んできて車内がいっぱいになる。その状態のまま14:47長野着。

長野と言えばまだまだ遠いのだが、今回に限ってはここですでに帰ってきてしまったような感覚だった。数分の乗り換えで15:03飯田行き快速に乗り、姨捨雄大な風景を眺めたあと16:23到着の松本で降りる。

姨捨駅からの善光寺

次の16:32発中津川行きはすでにJR東海の車両で、見慣れたオレンジの帯を見るといよいよ旅も終わりだなと思う。塩尻を過ぎると日も暮れ、暗くなった木曽谷を延々と南下していく。

18:47中津川着。もう中部圏で、後は消化試合になり、20:21地下鉄との連絡駅の千種に到着して4日間の旅は終了した。

今回は4日の長丁場、行きたかったところにほとんど行くことができ、1月という雪の時期にも関わらず大きなトラブルもなく予定通り乗り終えることができたのは、まったく祝着至極なことだった。