OSA日記

旅と食と健康とメンタルと

四国遍路 8_1

11月3日

久々に秋の遍路に出ることにした。
飛び石連休に休暇を足して5連休を確保。関西からは四国への往復もしやすいので、効率よく5日フルに動く計画を立てる。ただ、またして最終どこまで行けるかいくつものパターンが出来てしまい、その時の状況に応じて臨機応変に対応するしかない。とりあえず宿だけは確定しておいたが。

早朝の電車で新大阪駅へ。けっこう駅は混雑していて、同じように連休をとった人たちだろうか。ひかりレールスターで岡山に向かい特急しおかぜに乗換え、瀬戸大橋を渡って四国に入り、9時ちょうどに前回終了地の新居浜に到着。半年前と全く変わらない佇まいだ。今回は家から全て準備していったので、駅では準備運動をする程度でさっそく歩きに入る。

新居浜駅は遍路道である讃岐街道からかなり離れているので、まずはそこまで戻らないといけない。駅を南北にまたぐ歩道橋を渡りながら空を見上げる。今日は曇りのち晴れとの天気予報だが雲が低く、止まっている車にも水滴が付いていて、雨が降っていたようだ。30分ほど南下し、喜光地商店街入口という交差点で讃岐街道に合流。

ここから東へ向かって旧街道を延々と歩く。前回の前神寺からと全く同じ雰囲気で、それが行けども行けども変わらない。1時間くらいで併走する国道11号線に合流するが、さすがに交通量が多い。とにかく今日のコースは特徴がなく、歩くのみである。国道はやがて上りに入り、峠で新居浜市から四国中央市に入る。

峠からは再び旧街道へ分岐。初日というのもありまだ身体が慣れていないので休憩したい。が、このような道沿いに遍路小屋などあろう筈もなく、廃工場を見つけてそこで腰を下ろして飴などを食べる。辺りは人も車もなく静かなものだ。今日は天気はよくないが、曇っていて気温もあまり高くなく歩きやすい。天気は晴れているに越したことはないが、歩くには今日のように曇っている方が良い。雨が降らなければ、の話だが。

ふたたび歩き出すがこの道、全く人気がない。ごくたまに車が通るくらいで、歩いている人を全く見かけない。不気味に静かな中をとにかく歩く。こういう時は前方5mくらい先の地面を見ながら歩く。遠くを見るとこれから行かなければならない先が意外と遠くに見えて気が萎えるからだが、分岐もなく刺激もないこのような道を歩いていると、だんだん無意識になることがある。こんな時は目の瞳孔が開いているのではないだろうかと思ったりする。

延々と続く讃岐街道

それにしても、前回新居浜で切り上げて正解だった。そのまま三島まで歩くプランだと、この退屈極まりない道を延々と歩く羽目になっていたからだ。1日でも十分退屈な道なのだが。

国道と、併走する予讃本線を横切り、もう一度線路を越すと、まもなく本日唯一と言っていい目的地、番外霊場12番の延命寺に到着。時刻は昼を越えて12時30分。東屋の休憩所があったので荷物を下ろし、靴を脱いで大休止。

ここにはいざり松という巨大な松があったが、かなり前に枯れてしまい今は幹が横たえてあるだけだが、それでもその巨大さが分かる。ここであとから歩き遍路がやってきた。まだ学生のような若い人で、大きなザックにマットなどをくくりつけているので野宿旅かもしれない。これがおじさんだったら世間話になったりするのだが、若い人なので挨拶程度でおしまい。

延命寺のいざり松

再び歩き出す。昼も過ぎ腹が減ってきたが、店などはなから期待していないのでコンビニに入り、おにぎり等を購入。先ほどのような東屋でもあればいいのだが、と思いつつ、そんなものは見当たらないので歩きながら食べる。

相変わらず同じような風景が続き、人気も相変わらず。そのうち雨がぱらついてきた。今日の予報は午後から晴れで降水確率は10%。外れるにも程がある。以前日和佐でも同じ目に遭ったが、さすがに晴れと言っていて雨などというのは陳謝して欲しいくらいだ。

どこかの軒先で荷物を整理し、雨具を取り出しやすい処に入れたりしていると、おばあさんが声をかけてきて、接待にと500円玉をいただいた。お金の接待は久々で、ありがたくおしいただく。

結局雨具を出すほどの雨ではなくやれやれと思ったが、それにしても今日はいつまでたっても判で押したように同じ景色で、精神的にかなり辛い。休むところもないので、ちょうどいい高さのコンクリートブロックを見つけて腰をかける程度で身体も休まらない。

そんな中、豊岡をすぎたところで診療所の前にベンチを発見。診療所は休みで人もいないので、ここで休ませていただく。少し元気を取り戻し、寒川を過ぎると次第に三島の町に入っていく。今日は東から来たので特急で伊予三島は通過しているが、電車だと三島から新居浜までは20分程度。歩くと1日だから電車とは速いものだ。

診療所の前にあった休憩所

夕方になり伊予三島駅を過ぎ、本日の宿の旅館O荘に到着。名前だけで判断して予約したが、予想通りのたたずまいの遍路宿で、女将さんも親切。すでに風呂に入れるとのことで早速風呂へ向かうが、いつもながら歩いた後の風呂は最高。今日の客は私一人で、食事のあとそのまま女将さんとしばらく話し込む。

O荘の部屋

本日の歩行は42,000歩、約25キロだった。
今日は最初からしまいまで同じような道だったので、話題に乏しかった・・・。