OSA日記

旅と食と健康とメンタルと

祭り

全国には有名な祭りが数多くある。誰でも知っている京都祇園祭、青森ねぶた、福岡山笠など枚挙にいとまがない。
ただ、有名度や規模の大小を問わなければ、町の数だけ祭りがあるのではないだろうか。

私の地元は兵庫県の播磨地域だが、こちらの祭りは「ふとん太鼓」と呼ばれる大きな太鼓台(屋台と呼んでいる)を担いで練り歩くものが多い。特にわが町ではこの屋台を担いで神社の84段ある石段を登っていく勇壮なもので、その迫力はなかなかのものだ。

屋台は重さが1トン以上もあるので、担いで練り歩くのはかなり体力がいる。若い頃担いだものだが、人が大勢いるので自分一人くらい力を抜いてもいいだろうと思ったら大間違いで、とにかくずしりとかつぎ棒が肩に食い込み、2日担ぐと両肩を腫らしてしまったものだ。

コロナで中止になっていた祭りだったが、例年通り10月に開催され、今年も見に行った。

祭りは2日あり、初日が夜宮(よみや)、次の日が昼宮となり、開催時刻が多少違う。市内では各所の集落にある屋台だが、わが町では夜宮で6基、昼宮で7基が出動する。

祭りはまず町内を練り歩くのだが、コースや通過時刻が決まっていて、一旦休憩時間がある。その休憩時間に私の実家が一つの地区の接待場になっているので、一旦我が家めがけて屋台がやってくることになる。ヨイヤサという掛け声をあげるか、伊勢音頭と呼ばれるお囃子を歌いながら進む。
屋台が到着すると旧知の顔も多くあり、年に1回しか顔を合わせないので親交を深める。

刺繍のシャチや水引幕が美しい

実家はちょうど曲がり角のところにありよい絵面になるためか、一度テレビ局が家から撮らせてほしいと来たことがある。また、よほどの祭り好きなのか、家を売ってくれと言われたこともあるそうな。

休憩後は折り返して神社に向かって練り進んでいく。屋台は方向が決まっていて、宮へ行くほうが前になる。昔は酒が入って千鳥足になったりしていたが、今は統制が取れていてスムーズに進んでいく。ただ、中には豪勢な屋台にしたおかげで重すぎるのか、やたら落としてしまう屋台もある。

宮入は84段の石段を登っていくため、1基ずつ上げていく。このときだけ掛け声が違うが、昔と違って近年は結構スムーズに登っていく。

宮入り。石段の登り始めと登り終わりが特に難しい

境内に上がると活気づいて進んでいき、本殿の前で屋台を掲げる動作(「サイタ」という)を繰り返し行い、3つ目の屋台が上がってくると休憩に入る。

本殿まえでサイタ

すべての屋台が上がってくると、町内に向けて神輿が出発し、その後順次下っていくが、石段の下りも上り以上に迫力がある。
やがてそれぞれの町に帰って行って終了となる。

巨大なふとん太鼓で練り歩き、石段を登っていく勇壮な祭りは子供の頃から大好きで、全国に有名な祭りは数多くあれど、うちのが一番迫力があって面白いと今でも思っている(おそらく誰もが、わが町の祭りが一番、と思っているだろうが)。