OSA日記

旅と食と健康とメンタルと

四国遍路 1_5

10月9日

いよいよ最終日となった。
 
朝食をいただき、準備をして、M旅館を7:30に出発。今日の行程は19番立江寺までNさんと同行することになった。

13番から直接18番へ行くのは遍路コースではないので案内はないが、同じ状況の人が結構いるのか、旅館でこの行程の地図をいただいた。分岐などが手書きで丁寧に書いてありとても親切で分かりやすい。道は歩道などほとんどなく、車の交通量も多く、天気も悪く雨がぱらつくし、ある意味今まで一番しんどい状況である。
 
何はとも曇天の下歩き続けるが、次第に雨が強くなってきたので雨具を出さざるを得ない。このために用意したポンチョを出して羽織る。Nさんは暑いとのことで雨具の上だけ羽織っている。 

遍路用の雨具としては、普通のレインウエアではなくポンチョを用意した。ポンチョは大きな一枚布に頭の部分だけ出ているような作りだが、さっと羽織れてザックまで覆ってくれる。脚は膝までくらいしかないが、そこから下は別のチャプスを用意している。

雨は激しくなっていき、ポンチョの覆い切れない裾や靴がずぶ濡れになる。国道を離れたあたりでいったん雨はやむが、沈下橋を渡って南下を始めた頃にまた降り始める。 

やがて幹線の国道55号線に出る。こうなると遍路というより流浪の旅のようだ。車やトラックの爆走する横をとぼとぼ歩き、情緒もへったくれもない。一刻も早く離れたいので休みもせずに先を急ぐ。せっかく同行しているNさんとも話すことができない。

小松島の警察署を過ぎるとようやく脇にそれ、18番恩山寺の案内がてくる。やがて古びた山門をくぐるが、ここから急な登りがあり辟易する。

恩山寺山門

駐車場にバスが止まっており、ここでも団体だ。平日だというのに・・・。ただ団体はお経を上げるのがゆっくりだから、早口であげて先を越す。この寺は弘法大師の母上にゆかりがあるとのことで、大きな大師像がある。納経していただいて、出発は11:00。 

19番までは4キロほど。18番からの道は途中歩きやすい遍路道だし雨はやむし、快適な歩きとなった。立派な門構えの立江寺到着は12:50。町中にあるが随分立派な本堂や多宝塔もある。

19番立江寺

ここの入り口でばったりAさんに会う。再開を喜び、昼食を一緒にとりましょうとのこと。読経納経をすませNさん、Aさんとともに食べるところを探すが、この界隈には何もない。ここから列車で戻るのであまり時間がなく、仕方なくようやく見つけた小さなうどん屋に入り、食事をしながら歓談する。 

皆さんとはここでお別れ。何かの縁とお札を交換して先に店を出る。何にしてもお別れは寂しいものだ。今回出会った人たちとは基本的に今後会うことはないので、一期一会という言葉を実感する。寂しさと通し打ちの方へのうらやましさを抱えつつ、最寄りの立江駅に向かう。 

立江駅

立江駅から帰途につく。牟岐線の列車内で輪袈裟を取り白衣を脱ぎ、傘や杖をビニールで包む。遍路から俗世へ戻る瞬間である。徳島に到着、ここからJRバスで大阪難波近鉄で名古屋、と現実へ戻っていく。 

それにしてもいろんな経験や出会いのあった新鮮な5日間であった。つくづく通し打ちで最後まで行きたいと思った。とにかく区切り打ちでもなんでも、最後まで行こうと決心を新たにしたのであった。