OSA日記

旅と食と健康とメンタルと

四国遍路 3_1

某年5月1日

遍路は区切り打ちになるため、5日以上の休みはほしい。前回はたまたま秋に代休などで連休にできたが、コンスタントに休めるとなると限られてくる。と言って盆や正月は暑すぎたり寒すぎたりして歩くには困難。ということで、自動的にゴールデンウイークに歩くことになる。この季節は日が長いという利点もある。

次の遍路はGWに行くことにし、なにせ長期連休なのでバスや宿などは早い目に手配することにする。バスは1ヶ月前からの予約となるので、そのあたりから準備を整える。 

今回は再びJRバスに切り替えて、名古屋から徳島へ向かう。夜行バスにも慣れてきたのか、わりとしっかり就寝でき、予定通り朝の5時に徳島駅に到着。今回は日和佐からの出発なので、駅で顔を洗ったりしてから牟岐線の列車に乗る。

途中の阿南で、乗っていた車両が切り離されるとのアナウンスがあり、前の車両に乗り移ろうと荷物をまとめていると、何かが足りない・・・。
なんと杖を忘れてきてしまったのだ!徳島駅のトイレに忘れたに違いないが、もうどうしようもない。お大師様の身代わりである杖を忘れるなどもってのほかで、初手からの失態に意気消沈。

ちなみに、遍路で金剛杖を突くのはお大師様と一緒に歩くということで「同行二人」という。カバーを取ると梵字が書いてあり、行き倒れしたときの卒塔婆にもなる。そんな大事なものを忘れてしまったのだ。

ただ、今日立ち寄る予定の鯖大師で手に入れることが出来るそうで、無理やり気持ちを切り替える。そうこうするうちに日和佐駅に到着。日和佐駅には綺麗なトイレがあり、そこで準備する。

前回悩まされた膝をカバーすべく、今回はワコールのCW-Xというタイツ型のサポータを用意してきた。下半身全体をサポートしてくれる優れもので、期待しながら装着し、準備運動をした後7:30出発。

今回の行程はほとんど国道55号線という幹線道路を歩くため、旅情もへったくれもない。たくさん行きかう車の音をBGMにひたすら歩くことになる。国道で怖いのはこれから多くなるトンネルだ。歩道はあるがトレーラーなどが轟音をたててすぐ横を通過するのはかなり恐怖である。道も歩道がなくなったりすると、とにかく車に気をつけなければならず精神的に疲れてしまう。

GW中はずっと天気がいいとの予報だったのだが、どうも空が暗い。肌に湿っぽさも感じてきたので、歩きながら携帯で天気予報を見てみると、なんと明日まで雨になっている。

杖はなくすわ天気予報は大はずれだわ、どうもテンションが上がらないまま、延々と国道を歩き続け、11時ごろ牟岐駅に到着。ベンチで靴を脱いで休憩する。初日は身体が慣れていないのか疲れるのが早いような気がする。
 
とりあえず鯖大師まで、と先を急ぐことにする。ここからは大坂峠という久々の遍路道を歩き、その後は海沿いに出る。その頃から天気は明らかに悪くなっていき、あるトンネルを抜けた所でとうとう雨が降り出した。木陰を探して雨具を装着し、ようよう鯖大師に到着。 

番外鯖大師

鯖大師は正式には八坂寺といい、札所ではないが番外霊場で、合わせて参拝する人も多いと聞く。情報ではここは宿坊もあるし食堂もあるとのことで、昼食を兼ねて大休止するつもりだったが、食堂は休みだし境内にはゆっくり休むスペースもない。

現実は随分違うものだと嘆きながら、雨の中ようやく屋根を見つけて腰を下ろし、念の為購入していたおにぎりをほおばることにする。遍路中まともな昼食にありつけたのは最初のうちだけで、ここのところいつもコンビニのおにぎりだ。

同じように隣で休憩していた初老の男性と話をする。この方、大荷物だと思ったら野宿で遍路を続けているとのこと。しばらく話した後、大きなザックを背負って出発するのを見送る。売店に行くと杖が売っていて、これだけは情報通りだった。2本目となる杖を無事購入。しばらく休んでこちらも出発。

雨はますます強くなっていき、うつむき加減にひたすら歩く。途中で大きな東屋を発見して休憩。普段なら道端にある東屋など気にも留めないが、歩いている時にはまことにありがたい。

東屋で休憩

篠突く雨の中、ようやく本日の宿泊地である海部の町に入る。CW-Xを装着しているとはいえ、かなり脚に疲れがきている。鄙びた町中を歩き、予約していたI旅館にたどり着いた時はほっとした。 

宿に入ると愛想のいいご主人が出迎えてくれる。部屋に通されるとお茶が出てくるが、ここは手作りのプリンとどら焼きでもてなしてくれる。疲れた身体に甘いものは何でも美味いが、この手作りのプリンは格別だった。 

風呂に入って身体をほぐすと楽しみの夕食となる。ここは部屋まで運んでくれたが、品数の多いこと多いこと。どれから手をつけるか本気で迷ったほどだ。遍路で海沿いの宿は初めてになるが、やはり海のものが多く大変に美味で、残さずたいらげた。

I旅館の夕食

遍路中は早寝早起きが鉄則。この日も21:00には布団に入ってすぐ熟睡した。 

本日の総歩行距離は28キロ。歩数は42,000歩に達した。