OSA日記

旅と食と健康とメンタルと

味噌作り

ボランティアに行っている地区で酒を飲みながら話をしていると、せっかく田舎で土地も畑もあるので何かみんなでしよう、という話になった。

みんなでいろいろ考えた結果、味噌作りをすることになった。この地区では皆さん毎年味噌を仕込んでいて当たり前のことらしいが、この際だから原料の大豆から作ろう、というちょっと大きな話になった。

畑の一部を借りて大豆を植え、秋に収穫。そのまま稲架に干して乾燥させる。稲架といっても、倉庫に竹の棒を渡しただけのものだが、そこに束にした大豆をかける。冬まで干すとしっかり乾燥して、カラカラになっている。

稲架にかけた大豆

この乾燥した大豆を脱穀して皮を飛ばすのだが、せっかくなので倉庫に眠っている足踏みの脱穀機を使ってみることになった。明治時代のものという年代物の脱穀機とフイゴを準備する。

足踏み脱穀

蔵の中で地面にむしろを敷いて、一人が脚でペダル(?)を踏んでまわし、もう一人が大豆の束を押し付けて脱穀する。
これがかなり疲れるので、みんなで交代で頑張る。

次に、殻やゴミを取り除くためにフイゴで風選をする。これも取っ手を回して風を起こし、大豆を入れて要らないものを飛ばすのだが、この取手が重くてたいへん。
大豆がかなり散らばるが、苦労して作ったものなので、一粒残らず拾う。
今回の作業はここまで。

季節が進んで春になり、いよいよ味噌作り。手順は意外と簡単で、一晩つけて膨らんだ大豆を大釜で茹で、指で潰れるような柔らかさになると、これを潰して米麹と塩を混ぜて、容器に詰めるだけ。

文字で書くと簡単だが、実際にやってみるとかなり大変。
大釜で茹でるまではいいが、潰すのは臼と杵で行う。柔らかくなったとはいえ、全部キレイに潰すのは至難の業で、これも交代しながら一所懸命行う。

臼と杵で大豆を潰す

これに同量の米麹と一定割合の粗塩を入れて混ぜる。これもかなり腕の力が必要で、完全に混ざるまでに腕がブラブラになる。

こねることができたら、容器に詰めるのだが、空気が入るとカビの元になるので、ソフトボールくらいの大きさの味噌玉を作って、容器に投げつける。

詰め終わったら表面に塩を振って、ラップで密閉して終了。
これを家に持って帰って1年位寝かせて完成するという。ちょっと気の長い話だが、熟成させるほどに美味しくなるのだから、楽しみに待つしかない。
一連の作業で身体はヘトヘトになったが。充実感がすごかった。

そして1年間熟成。翌年の春に出来上がった味噌は、お世辞抜きに美味かった。

出来上がった味噌

これを毎年のルーチンにすることにしたが、大豆作りは3年目で頓挫。鹿の害がひどく、頑張って植えても洗いざらい食べられてしまうのだ。憎い鹿だが仕方がないので、大豆だけは購入することになった。

それ以来10年以上。今では家で味噌を作るようにしている。大豆を潰すのに臼と杵がないので、鍋にいれて瓶の底で潰していたが、半端なくしんどいので大豆を潰す機械を購入したおかげで、飛躍的に楽になった。